わかんなくてもいいから、一回過去問やろう
2024年度の宅地建物取引士(以下、宅建)の資格試験に一発で合格した。しかも、学習時間はかなり少ない。正確に計測したわけではないが、一般的に「合格には200~400時間が必要」と言われるところ、私はそれを大幅に下回る時間で合格している。家族にも「ほとんど勉強している姿を見たことがないのに、よく合格できたね」と驚かれたほどだ。宅建だけでなく、以前受験したFP2級も一発合格だったので、きっと試験勉強そのものが得意なのだろう。折角なので、私が日頃から意識している勉強姿勢や勉強法を詳しく書いてみようと思う。
ここでお伝えしたいのは、たった一つのポイントだけ。それは「テキストを読む前に、過去問に必ず触れること」だ。この方法が、最終的に合格へダイレクトにつながる近道になる。
なぜ「過去問先行」が大切なのか
視界を開く
試験勉強は多くの人にとって未知との戦いだ。例えば、全体像を把握せずにテキストだけを眺めていると、「これ、ほんとに出るのかな?」と不安になる。それどころか、重要な項目でも「こんな細かい数字まで必要ないだろう」と勝手に判断してしまうかもしれない。しかし、実際の過去問を先に見ておけば、「なるほど、こういう問題が出るのか」という視点が得られるので、学習全体の見通しを持つことができるのだ。
主体的な学習姿勢をつくる
宅建をはじめ資格試験の過去問を最初に解くと、知らない単語ばかりで全然解けない――という経験をするかもしれないが、それでいい。ただ、なんとなく専門用語の雰囲気を覚えておこう。「ああ、ここを抑えておかなければ点数にならないんだ」という視点を得られるので、テキストを読むときの吸収力がまるで変わってくる。いわば、「先がわからない状態で目隠しをして食事をする」ような不安を取り除き、「メニューを見てから食事をする」ような安心感をもって学習を進められるようになるのだ。
実際、宅建の試験問題では「宅建業法の細かい条文」や「都市計画法の日影規制」といった、普段の生活では聞いたこともないようなトピックが頻繁に問われる。テキストだけ読んでいると、どうしても「本当にこんなところまで覚える必要ある?」と疑問が湧いてしまう。過去問を見ていれば、「ああ、ここも割と高頻度で狙われるんだな」という納得感が得られるから、モチベーションが落ちることも少ない。
具体的な進め方:まずは1年分だけ過去問を解いてみる
私が勧めたいのは、いきなり膨大な数の過去問を解くことではない。まずは1年分だけ、ざっと解いてみれば十分だろう。たった1年分でも、出題形式・問題の難易度・問われる論点の傾向などは大きく変わらない。現行の試験制度であれば、法律改正などは毎年多少はあるが、過去問のスタイルそのものが極端に変わることはあまりない。だからこそ、1年分でも実際に解いてみると、自分に足りない部分が浮き彫りになる。
また、最初に過去問で全然解けなかったとしても、それは当たり前のことなので落ち込む必要はない。むしろ「一度解いてみた」という体験が、あとから読み返すテキストの情報をスッと頭に入れやすくしてくれる。テキストには細かな法律用語や規制の数字があふれているが、「あ、これ過去問でも出てたわ」と思い出せるようになれば、学習そのものが面白くなる。
知識の「見通し」は文章作成にも活きる
最後に、私の勉強法の特徴である「最初に見通しを立てる」という考え方は、何も試験勉強だけに通じるものではない。文章作成のときも、先に全体構成(見出しや章立て)を思い描いておくだけで、執筆がスムーズに進む。ゴールのイメージを先に描いておくことで、必要な材料や内容がわかりやすくなり、書くべき内容に迷うことが少ないからだ。
宅建合格を目指す人には「過去問を最初に解く」。文章を書く人には「構成を最初に考える」。どちらも、「先に全体の見通しをもつ」ことで、学びや作業に主体性が生まれ、より効率的に進められるようになる。これが私が大切だと思う勉強姿勢であり、学ぶ上での基本の「き」だと考えている。
まとめ
- 宅建やFP2級に一発合格した理由は、もともと試験勉強が得意というだけでなく、「テキストを読む前に過去問に触れる」というシンプルな勉強法を実践してきたから。
- 初めに過去問を解いてしまうことで、出題傾向や必要な知識の範囲が把握でき、不安を取り除きながら勉強を進められる。
- 実は「最初に見通しを立てる」というのは、試験勉強だけでなく文章作成などにも応用できる。
これらを参考に、ぜひ自分なりのやり方で過去問から学習を始めてみてほしい。合格への道は、最初の一歩をどこから踏み出すかで大きく進み方が変わるものだと実感している。